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2012年12月22日土曜日

Night Games / Graham Bonnet 歌詞の考察~孤独なナイトゲーム

グラハム・ボネットの「Night Games」です。Rainbowを去った後のソロ活動中、1981年に発表した曲だそうで、wikipediaによると、この曲は西城秀樹によってカバーされているようです。





Night Games
ナイトゲーム
See the man in the busy street.
He's almost incomplete
He takes his pleasures in strange ways 
雑踏の通りを行くあの男を見ろ
彼はほとんど出来損ないで
変わった手段で悦びを得る 
And the lady in the library
She's just like you and me
You wouldn't know her at all 
そして、図書館にいる女性
彼女はまるであなたやわたしのようだが、
あなたは彼女の事を全く理解していないだろう 
She takes a train up to the great big city
She knocks the door and steps right in
He's just a fool that some would like to pity
They worked it out in the house of sin 
彼女は巨大な街へと電車で向かい
ドアを叩いて中に入る
彼は同情するほどまさに愚かで
彼らは罪悪の家で行為を行う 
Night games
They pay for their night games
They were two numbers they don't use names
It says in the rules
It's strictly for the cools to play 
ナイトゲーム
彼らは彼らのナイトゲームに金を支払う
彼らは2つの数字で互いを呼び合い、名前を使わない
それがルールだと言う
クールな者同士が行為を楽しむための厳密な手段だと 
The Night games
They play for their night games
Always blame one last frame
Games of the night 
ナイトゲーム
彼らは彼らのナイトゲームに金を支払う
いつも最後には自分自身を責める
夜のゲーム 
Every room has a different scene
Everyone has a different dream
You can get it any way you choose 
全ての部屋には違ったシーンがあり、
全員が違った夢を持っていて
とにかく、あなたが選んだものをあなたは手に入れられる 
You can get anyone you need
Anyone in the price's agreed
And nothing left for you to lose 
あなたが必要とする人は誰でも
あなたが提示した金で納得した者は誰でも手に入る
あなたに失敗はない 
It's entertainment for the lost and lonely
And cabaret for those who dare 
それは敗者と孤独な者のためのエンターテインメントで
思い切った者達のためのキャバレー※1だ 
The last attainment of the one and only
It's got to be to get you there 
最後に達成すべき唯一の事は、
あなたがそこで“あなた”を手に入れることであるはずだ



注1:キャバレー=音楽ダンスなどのショー楽しめるレストラン通例夜営されるhttp://ejje.weblio.jp/content/cabaret


西城秀樹の「ナイトゲーム」




2012年12月18日火曜日

Too Young To Die, Too Drunk To Live / Alcatrazz 歌詞の考察~生きているには酔いすぎた

先日の「Jet To Jet」の翻訳の流れで「Too Young To Die, Too Drunk To Live」を翻訳してみました。



この曲はアルカトラズの曲の中で一番好きな曲です。そのタイトルの刹那さ、グラハムの情熱的な声、イングヴェイの美しいメロディラインと、本当に魂を揺さぶる曲です。

この曲の詩は以前からある程度理解していました。「Jet To Jet」より、ずっと分かりやすい詩だと思います。


Too Young To Die, Too Drunk To Live 
死ぬには若すぎる、生きているには酔いすぎた 

Chemical kids lost in the street
Looking for some kind of saviour
 
通りから姿を消した化学薬品(注:恐らく合成麻薬)で汚染された子供たちは
一種の救世主みたいなものを探している
Perverted mind lead them like sheep
Into the slaughter they have to face
"Too young to die, too drunk to live"  
倒錯した心は彼らをまるで羊のようにして虐殺へと導く
彼らはその事実と向き合わなければならない 
"死ぬには若すぎる、でも生きているには酔いすぎた" 
As they follow in the path of believers before them 
彼らの前を行く信者たちの後を辿っていくように 
Too young to die, but there won't be too long to live 
死んでしまうには若すぎる、でも生きていられる時間はそう長く残されてはいないだろう

Daddie's princess fixes her hair
Powders her nose from the inside
 
父親の愛娘は髪をとかしながら
麻薬を鼻から吸い込む 
Smokes in the car, drinks her last beer
Soon she'll be ready for one more day
 
車の中でタバコを吸い、最後のビールを飲み
まもなく彼女はもう一日生きるための準備をするだろう 
Head for the classroom and to hell
But the clock up on the wall
Hold the blind face of freedom
 
彼女は地獄のように退屈な教室へと向かう
でも、壁の上の時計は自由という名の盲目の顔を保ったままだ 
There's time to die
But she just needs more time to live
 
死ぬべき時は来た
でも、彼女はもっと生きる時間を必要としている

What's the time? Is that the time? Yeah!
それは何の時間だ? その時がきたのか?

Ten years from now
Look how they change
They're so mature and respected
 
10年たった後
どれほど彼らが変わったか見てごらん
彼らは成熟し、尊敬されている 
It makes them laugh
They were such fools
So unaware of the real live world
 
その変化は彼らを笑わせる
あの頃の彼らは本当にバカだった
彼らは現実世界の事など何も気づいていなかったんだ 
"Honey I'm home, fix me a drink
'cause it's been a long hard day and the boss drove me crazy
Watching the clock on the wall for the happy hour
"
「ハニー、帰ったよ。何か飲み物でも出してくれないか?
とても長くてハードな一日だったよ。上司のせいで僕は気が狂いそうだった
幸せな時間のことを考えて壁の時計ばかりみていたよ」
Watch out! Watch that man come go running out. Yeah!
気をつけろ! 駆け出してくるあの男を見ろ!


(歌詞はライブで歌っている歌詞にしました)


YouTubeにはいくつかのライブ映像がありますが、個人的に一番良いプレイは

「Live Sentence」
http://www.amazon.co.jp/Live-Sentence-Alcatrazz/dp/B005IUB4UW

です。

これがグラハムの歌とイングヴェイのギターの両方が一番良い演奏だと思います。


次はグラハム・ボネットの代表曲で「Night Games」を翻訳したいと思います。




2012年12月16日日曜日

Jet To Jet / Alcatrazz の歌詞の考察~そんなことがあなたの望みなら、あなたは死ぬ

アメリカのハードロックバンド(ヘヴィメタルでしょうか…)、Alcatrazzの1983年発表アルバム『NO PAROLE FROM ROCK 'N' ROLLl』(ロックンロールからは仮出所できない~邦題:アルカトラス)に収録された曲、「Jet To Jet」の歌詞について考察してみました。



AlcatrazzはRainbow(巨匠ギタリスト、リッチー・ブラックモアのバンド)でボーカルを務めたことのある情熱派シンガー、グラハム・ボネットのバンドで、このAlcatrazzのギタリストは、まだ若手だった頃のイングヴェイ・マルムスティーンです。(イングヴェイ・マルムスティーンはスウェーデン出身のギタリストで、超速のメロディアスな奏者であり、やはり巨匠ギタリストです)

わたしはイングヴェイ目当てでこのアルバムを買ったのですが、当時は、この「Jet To Jet」の歌詞の意味が全く分かりませんでした。(和訳はついていなかったと思います。知らぬ間にCDを紛失していて、確認できません)

その中の歌詞の一部を、

Call me master and I call you boy, I want need you the most

と聞いていて、「私のことを師と呼び、わたしは君を坊やと呼ぶ。わたしは君のことがとても必要だ」という意味だと思っていて、「リスペクトし合う、なんてすばらしい歌詞なんだ」と思っていたのですが、今日詳しく歌詞を調べてみたら、これは全くの聞き間違いだということがわかりました。

そもそも、「need you the most」は1番の歌詞で、「call me master~」は2番の歌詞であり、ごちゃ混ぜになっていたわけです。

以下が正しい歌詞です。

Jet To Jet

On a short trip we made a landing
Then we were strangers in town
How they stared as we made our exit
We're white they're all brown
Dr.Livingstone where are you
When we need you the most
We're white as ivory on the ivory coast 
Jet into jet 
Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
So predictable washed out white
Men foriegners are here
Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
How that wounds me just leave me here to bleed 
Jet into jet 
Black mans burden is on his shoulder
And keeps him well in his place
Two hundred pounds worth of megawatts
That smack him in the face
There's no reason to take the weight
Life's not strapped to your head
Don't wear the token till the token black is dead 
Jet into jet


検索すると、いくつも和訳が見つかって、「ああなるほど、これはそういう意味なのか」と改めて理解しました。まず、そもそものタイトルである「Jet To Jet」ですが、やっとわかりました。「漆黒」のことを英語で、「jet black」というのですね。jetは、漆黒の~ という形容詞のようです。

「we are white, they are all brown」という歌詞があるので、白人と黒人を歌った歌だとは分かっていましたが、jetが漆黒を指していると知って、やっと何故このタイトルになったのかが分かりました。

さてところで、この検索でみつかった和訳ですが、どれもかなりおかしな訳ばかりでした。

例えばこの部分の訳

So predictable washed out white 
Men foriegners are here

http://www.fuwakumusic.com/A/Alcatrazz/Jet_To_Jet.htmlからの引用

ここじゃ白人の外国人は
色あせることが推測できるだろ

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1220104832からの引用

ここで白人は“色あせて”外国人になるのは確実だ

えーと、意味不明です。

それからこの部分

Black mans burden is on his shoulder 
And keeps him well in his place

http://www.fuwakumusic.com/A/Alcatrazz/Jet_To_Jet.htmlからの引用


黒人の重荷は彼の肩の上に
そして彼を満足につけあがらせないんだ


http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1220104832からの引用



黒人の男の責任が彼の肩に委ねられ
彼は街で快適に過ごす


えーと、意味不明です。






まず、

So predictable washed out white 
Men foriegners are here


ですが、これは正しく書くと恐らく、


So, (It is) predictable (that) washed out white men foreigners are here.

という文章です。

predictableは「予測可能な」という形容詞であり、white men foreigners (白人の外国人)で1文節で、

よそ者の白人であることを洗い流した彼ら(白人のよそ者)がここにいることは予測可能だ

となると思います。これだけだと更に意味がわからないですね。前の文章を見てみましょう。

Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
So predictable washed out white
Men foriegners are here

Eat their poisonは命令形で、「彼らの毒を食べろ」です。
like true ambassadorsは、「まるで本物の大使のように」です。
We will drink up their beerで、「我々は彼らのビールを飲む」の未来形です。

ですので通して読むと、意訳とすれば、

親善大使のように、毒だと思っている彼らの飯を食べ、彼らのビールを飲め
そうすれば、よそ者の白人なんてレッテルを剝がせることは予測可能だ

となると思います。



そして、続くここです。

Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
How that wounds me just leave me here to bleed 

ここが、ちょっと問題でした。

この記事を書いたので友人に意見を求めたところ、これは黒人差別的表現なのではないか?と言われました。

Call me master I'll call you boyは、「わたしをご主人様と呼べ、わたしはお前を召使いと呼ぶ」です。
If that is all that you needは、「それがお前の望む事の全てなら」です。
How that wounds me to bleedで、「それがどれほど私を傷つけ血を流させるだろう」で
just leave me hereで「ちょうどここに私を残して」となります。

わたしの友人は、If that's all that you needの「you」が黒人だと考えたようです。

つまり、「黒人が『わたしをご主人様と呼べ』なんて言いやがったら、奴をぶちのめしてやる」という意味と解釈したようです。

ですが、わたしはそう思いません。

Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
So predictable washed out white
Men foriegners are here
Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
How that wounds me just leave me here to bleed 

これ全体で一つの文脈ですが、まず、「彼らの飯を食べろ」は命令形なので、誰かに対して言っている言葉、ということになります。

誰に対して言っているか? 親善大使のようにそうするのですから、当然、この街に来ている我々であり、自分の仲間に対してであると解釈できます。後には、「そうすれば白人のよそ者という事実は洗い流せるはずだ」とあり、ここからも白人のよそ者に対して言っていることがわかります。Eat "our" poisonではないので、黒人が白人に対して「我々の飯を食え、そうすれば仲間にしてやる」と命令しているわけでは絶対ありません。

問題なのはIf that's all that you needの「you」が誰なのかですが、先ほども言ったように、ここは、自分の仲間に対して話している文脈なので、「you」というのはやはり、自分の仲間だと解釈するのが妥当だと思います。あるいは、この曲を聴いているあなたに対してです。

「彼ら」つまり、黒人に自分たちをご主人様と呼ばせ、黒人を召使いと呼ぶようなことを望んでいれば、もしここに取り残されたりすれば我々は彼らから袋叩きにあうぞ、という歌詞だと思われます。だって、we were strangers in town、この街では我々はよそ者なんですから。






次に

Black mans burden is on his shoulder 
And keeps him well in his place

ですが、

burdenは「重荷」とか「苦労」です。それが彼の肩の上にあり、彼とはblack man 「黒人」です。

keep him well は「彼を良い状態に保つ」で
in his placeは「彼の立場で」です。

burdenがいつも彼の肩の上にあって、それが彼の代わりに彼の立場を保っている、ということでしょうか。後ろの文を読んでみると、意味がなんとなくわかってきます。

Black mans burden is on his shoulder
And keeps him well in his place
Two hundred pounds worth of megawatts
That smack him in the face
黒人の苦悩はいつも彼らの肩の上にあり、そのおかげで彼らは生きていける
(白人は)たった200ポンド(今日現在2万7千円くらい)の金を、
100万ワットのまばゆい光のように彼らの頬に叩きつける

こんな感じではないでしょうか?

「白人に隷属することで黒人はお金を得られ、それで多少なりとも裕福な生活が出来ています。それは事実です」(←歌詞の意訳)

ここからが重要で、この歌の本当に言いたいことだと思います。

There's no reason to take the weight
Life's not strapped to your head
Don't wear the token till the token black is dead 

There's no reasonで「そこには理由なんてない」
to take the weight (away)で「重荷を取り去る」
Life is not strapped to your headで「人生はあなたの頭には縛り付けられていない」
Don't wear the tokenで「その印を着飾るな」
till the token black is deadは、the token blackで「黒人である証」で、tillは「~まで」、deadは「死ぬ」の過去形ですから、「黒人である証が消えてなくなるまで」です。

ここで考えなければならないのはweightですが、この「重荷」は当然この前で語られた、黒人の肩にのしかかっている負担「burden」であると解釈するのが妥当だと思います。ですから、

黒人の生活の支えとなっている白人への隷属をやめるのに、理由なんてない。
本当のあなたは鎖で縛りつけられてなんかいない、自由なんだ。
だから、肌の色が何であるか分からなくなってしまうその日まで、
いつまでもそんな黒人らしさである隷属をしていてはだめだ。

という意味だと、わたしは思うのです。

つまりこの歌は、1番では黒人の街に降り立った白人の困惑を歌い、2番では黒人の街では彼らを尊重し彼らのようにふるまうべきだと歌い、3番ではその黒人たちに対して「自ら立ち上がらないとだめだ」と歌っているのだと思います。





さて、では、わたしの全文の翻訳を記したいと思います。正しいと良いのですが…


Jet To Jet
急いで黒人になれ


On a short trip we made a landing
Then we were strangers in town
 
短い旅の中、我々はそこに上陸した。
我々はその街ではよそ者だった。 
How they stared as we made our exit
We're white they're all brown
 
我々がそこを去ろうとした時、彼らがどれほど我々をじろじろと見たことか
我々はみな白人で、彼らはみんな褐色の肌だったからだ
Dr.Livingstone where are you
When we need you the most
 
リビングストーン博士(注1)、あなたはどこにいるのか?
我々が一番あなたを必要としているこの時に 
We're white as ivory on the ivory coast  
我々はアイボリーコースト(注2)の、象牙色の砂のような白い肌だ

Jet into jet  
急いで漆黒になるんだ(彼らのようになるんだ) 
旅客機で黒人の国に降り立った(2014/06/30)


Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
本物の親善大使のように彼らの飯を食べ、彼らのビールを飲め 
So predictable washed out white
Men foriegners are here
 
そうすれば、白人のよそ者だなんて彼らは見なくなる 
Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
 
「私をご主人様と呼べ、私はお前を召使いと呼ぶ」
そんなことがあなたの望む全てなら 
How that wounds me just leave me here to bleed  
ここに私が取り残されたとすれば、どれほど傷つき血を流すことになるだろう 



Black mans burden is on his shoulder
And keeps him well in his place 
黒人の苦しみはいつも彼の肩の上にあってそのおかげで彼は生きている
Two hundred pounds worth of megawatts
That smack him in the face 
白人達はたった200ポンドの金を、まばゆいばかりの光のようにして
彼の頬を叩くからだ
There's no reason to take the weight
Life's not strapped to your head
 
肩の重荷を取り除くのに理由なんてない
人生はあなたの頭には縛り付けられていない 
Don't wear the token till the token black is dead  
あなたが黒人であることが分からなくなるようになるまで、その印を着飾っていてはだめだ

最意訳します。

短い旅で降り立った地だが、我々は完全によそ者だった。
我々がその地を去ろうとする時、彼らはどんなに冷ややかな目で我々を見たか。
我々はみんな白人で、彼らは黒人だからだ。
リビングストーン博士、あなたはどこにいるんだ?
いまこそあなたが必要なのに…
我々の肌はアイボリーコーストの砂浜のように白い。 
彼らのように振舞わないと… 
彼らの食べるものを食べ、彼らの酒を飲もう。
そうすれば彼らと打ち解けることが出来るはずだ。
「私をご主人様と呼べ。私はおまえたちを召使いと呼ぶ」
そんなことを望んでいるなら、
我々はきっと彼らから手痛い仕打ちを受けることになるだろう。 
黒人はいつも虐げられていて、それに甘んじていないと彼らは生きていけない。
白人はわずかな金をまるで大金のようにして彼らをこき使うからだ。
あなたの肩にのっているその重荷を取り除くために、理由なんていらないんだ。
人生があなたを縛りつけるんじゃない。あなたが人生をつくるんだ。
あなたが死んでしまうその時まで、そんな、
黒人であることの重荷に縛り付けられていてはだめだ。



 グラハムの言いたかったことが、やっと理解できた日曜日でした。



(注1:リビングストーン博士=ヨーロッパ人で初めて、当時「暗黒大陸」と呼ばれていたアフリカ大陸を横断した。また、現地の状況を詳細に報告し、アフリカでの奴隷解放へ向けて尽力した人物でもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/デイヴィッド・リヴィングストン

(注2:アイボリーコースト=西アフリカ:コートジボワールの海岸
http://ja.wikipedia.org/wiki/コートジボワール


ちなみに、この動画のギタリストはイングヴェイが脱退した後のスティーブ・ヴァイ(やはり巨匠)



脱退した後のイングヴェイのギター(ボーカルはジェフ・スコット・ソートだったでしょうか)


ボーカルはどっちも悪くないですが、ギターははるかにイングヴェイの方がメロディアスで素敵です。

というか、イングヴェイは、本当にこんなに暴れながら弾いているからすごい。

そして、後半は彼の尊敬するジミ・ヘンドリックスばりに、めちゃくちゃ。


黒人だけではなく、もっとギターに愛を…




19:48 追記

日本人バンドのすばらしい演奏を発見! すさまじいドラムのテンポにも負けずに、ギターがすばらしすぎ






2012年12月14日金曜日

すぐそこにある児童虐待~あなたの子は未来を担えるか?

ふと、考えました。


外で元気に遊んでいた子供が、遊び疲れてお腹がへったので家に帰ってきました。

「ただいまー」

母親は言いました。

「お帰り」

…。

なんでしょう、この理不尽さは?


疲れ果てて帰ってきたわが子に対して、

「迷惑だ、来るな、帰れ!」

と言っているのです。なんという虐待でしょう? 人格を疑う発言です。



えーと、


まず、「帰る」という動詞は、ら行で五段活用し、「帰らない、帰ります、帰る、帰るとき、帰れば、帰れ」となります。

ところで、日本語の特に女性的表現では、「帰れ」という表現を「お帰り」と表現することがあります。

「気をつけてお帰り」(気をつけてかえりなさい)

こんな感じですね。

ですから、「お帰り」は、「帰る」の命令形ということになります。



口語というのは非常に曖昧で、多くの場合、いくつかの言葉が省略されます。

しかし、通常、省略されるのは主語です。

「バナナを食べたことはありますか?」 

「あります」

省略されたのは、「バナナを食べたこと」という主語です。

述語である「ある」は省略されません。

「バナナを食べたことはありますか?」 

「バナナを食べたこと」

 変ですよね?

「あなたが食べたのはバナナですか?」

(私が食べたのは)バナナです」

やはり、省略されるのは主語です。

述語を省略してしまうと、意味がわからないのです。





ですから普通人間は、述語を最優先して解釈します。




「お帰り」という言葉には二通りの解釈があって、1つは先に述べた「帰る」の命令形ですが、もう1つは名詞「帰還」を意味する丁寧語や尊敬語としての「お帰り」です。

「お帰りをおまちしております」

こんな感じですね。



日本語は非常に曖昧ですから、単順に「お帰り」といった場合、このどちらとも解釈することが出来ます。

「お帰り」が名詞として解釈された場合の本来の意味は、

「お帰り(をうれしく思います。)

となります。

お帰りが動詞として解釈された場合は、

(おまえは)帰れ!」

となります。


ですが、複数の解釈ができる言葉の場合は、基本的な文法に沿って解釈されるべきで、つまり先に述べたように、まず述語として解釈されるべきなので、「お帰り」といわれたら、帰るの命令形である「帰れ!」と言われたと解釈するのが正常な言語のあり方であるはずです。

なんて失礼な母親なんでしょう?



ですから、あなたのかわいいお子さんがお帰りになられたとしたら、決して「お帰り!」などと言ってはいけません。

かならず、

( お帰りを) 嬉しく存じます」

と申し上げましょう。未来を担うべき、日本の宝に対しての配慮が必要です。

そしてこれは、全て冗談です。
















2012年12月12日水曜日

【番外編】あなたは何を見ているのか?~太陽と共に育った人間

本来このブログは「言葉」を使ったお話をしているのですが、今回は番外編として、人間が物を見る仕組みについてお話しします。


人間はなぜ物を見ることができるのか?

それは極めて単純で、目に光が入ってくるからです。

この光を脳が認識しています。

では、机の上にカードがあるとします。この場合はどうなるかというと、


こうなります。

つまり、カードで反射した光を見ているわけです。


さて、人間の目に入ってきた光はいったいどうやって認識されるかというと、大まかにいって、2つの器官によって認識されます。それは、桿体(かんたい)と、錘体(すいたい)です。


:桿体

桿体(かんたい)は、明るさを認識する器官です。片方の網膜に1億2000万ほどあるそうです。桿体(かんたい)は明るさしか認識できず、色は識別できません。

:錘体

錘体(すいたい)は人間の場合3種類存在し、赤錘体緑錘体青錘体と呼ばれ、それぞれれの波長域の光のみ認識できます。桿体(かんたい)と同様に網膜に存在し、その数は650万ほどで、桿体(かんたい)に比べて圧倒的に少ないため、光が弱いと認識率が下がります。暗闇では物の陰影はわかるけれど、色はあまり分からなくなるのはこのためです。


みなさんは、「光の三原色(色光の三原色)」というのを聞いたことがあるでしょうか? RGBという言葉の方がわかりやすいかもしれません。REDGREENBLUEの三色は光の三原色と呼ばれるのですが、これは、上記の錘体(すいたい)に由来するものなのです。


物質の根源を示す概念に「元素」というものがありますが、元素はなにがあろうと元素で変わりありません。ですが、原色は人間だけの概念であって、他の動物にとっては、つまり、別の錘体組織を持つ動物にとっては原色ではなくなります。


人間は太陽光の下で生活する過程で、この錘体(すいたい)器官を発達させました。

太陽光があるのがあたりまえの環境で発達したわけです。

あたりまえなので、それが基準であり、つまり、太陽光そのものには色を感じなくなっています。

これが人間にとっては、「白」という概念になっています。


ところで、太陽光にはものすごく沢山の種類の波長の光が含まれているのですが、なにかの具合で、このうちのいくらかが欠落することがあります。


この光が人間の目に入ったとき、はじめて人間は「色」を感じるのです。




元の光は太陽光なので、あらゆる波長を含んだ「白色光」です。ところが、カードでこの光が反射する段階で、いくつかの波長の光がカードに当たったときに吸収され(熱エネルギーに変換されます)欠落します。

このため、赤いカードにみえたり、青いカードにみえたり、柄のカードにみえたりするわけです。


また、人間の脳は面白い認識機能を持っています。




みてのとおり、赤い水玉模様です。

これを縮小してみます。







ちょっとパターンの境目の格子がでてしまっていますが、ほぼ、ピンクにみえるるのではないでしょうか?

赤の面積は大体40%程度なので、元の赤の40%の矩形と比べて見ましょう。


だいたい同じに見えますね。



このように、人間の目は、極めて小さな面積の中にある光は、その平均の波長が目に入ったのと同じように認識する仕組みになっているのです。


この2つの機能、【3つの錘体(すいたい)】【平均として認識する】を応用した技術があります。

それが、商業印刷なのです。


商業印刷では通常、4つのインキを使って印刷を行います。

シアンマゼンタイエローブラックの4色です。


なぜこの4色なのでしょうか?



これを見てください。



背景は黒、つまり、光が全く当たっていない状態です。

ここに、赤、緑、青の光の三原色をちょっとずつずらして照射しました。結果がこれです。

中央は、赤、緑、青が全て当たっているので、太陽光と同じになり、白になります。

注目して欲しいのはその外側の2つの光が交差する部分です。ここに、先ほどのシアン、マゼンタ、イエローの3色があることが分かるでしょうか?

緑と青の光が当たるとシアンに、赤と青の光が当たるとマゼンタに、赤と緑が当たるとイエローになるわけです。



今、机の上にシアンに見えるカードがあるとします。思い出してください。太陽光は、あらゆる波長の光を含んでいます。

そして、人間の目には、その光がカードに当たって一部の波長の光が熱エネルギーに変換されて吸収され、残りの光が反射して、人間の目に入ってシアンだと認識されています。

では、吸収されて欠落した波長の光は、なんでしょうか?

上図のシアンの部分に当たっていない光、つまりとなります。

同様に、マゼンタが欠落、イエローが欠落した結果、そのように、見えることになります。

つまり、インキのシアンとは白色光からの波長域の光のみを吸収する色、マゼンタのみ、イエローのみを吸収する色ということなのです。

商業印刷というのは、この性質を利用しているのです。
この、シアンマゼンタイエローを「光の三原色」に対して「色の三原色(色料の三原色)」と呼びます。

例えば、シアンのインキとマゼンタのインキを等量混合したとします。シアンは赤を吸収し、マゼンタは緑を吸収するので、ここから反射されて出てくる光はだけになります。つまり、シアンマゼンタのインキをあわせると、として認識されるのです。


光の三原色では、光の量を増やすことで認識する色が変化して最終的には白になるのに対し、色の三原色では、光の量がどんどん減っていき(吸収されていき)残った光を認識することで色を認識し、最終的には黒になる(目に届く光がなくなる)というわけです。

このため、光の三原色は「加色混合(色を加えていく混合)」、色の三原色は「減色混合(色を減らしていく混合)」と呼ばれます。

さて、色の三原色はわかりましたが、では、なぜブラックが存在するのでしょうか?
シアンマゼンタイエローを適量混ぜれば出てくる光がなくなって黒になるはずでは?



確かに、光は物体に当たった時、一部が熱エネルギーに変換されて吸収されます。

しかし光を完全に吸収してしまうことはありえません。色の三原色は元々、特定の色域以外は反射する性質なので、混ぜ合わせても、同様に反射されて出てきてしまう光があります。

ですから、シアンマゼンタイエローを適量混ぜても全ての光を吸収することはありません。わずかな光が反射されてくるので、大体、深い茶色にしかなりません。

そんなわけで、ほとんど反射されてくる光がない、完全な黒と認識できるインキを別途用意する必要があるのです。これが、ブラックインキの存在理由です。

このブラックインキは、人間が色を認識できる理由である錘体(すいたい)のメカニズムから導き出されたわけではなく、色の三原色シアンマゼンタイエローの存在理由とは全く別の概念で導入されているわけです。

また、色の三原色シアンマゼンタイエローですが、たとえばシアンの場合、だけ吸収するかというとそういうわけでもなく、もわずかに吸収されて熱エネルギーに変換されます。

ですので、シアンマゼンタでつくった青は色の光と等価かというとそんなことはなく、混色したの方が暗く見えます。これは色料の混色全てにおいていえることで、色料の混色で表現できる色域は、色光の混色で表現できる色域よりも、ずっと狭いものになってしまいます。

想像していただけるとわかるのですが、蛍光色というのは色料の混色ではなかなか表現できません。蛍光色は、沢山の光が反射されなければなりませんが、物体に当たった激しい光の多くは吸収されて弱くなってしまいます。

ですから、蛍光色を表現するためにはインキ自体を反射率の高いものにする必要があります。

このため、特色(とくしょく)と呼ばれる、その色の表現に特化した、特別なインキを用いることが必要なるわけです。

家庭用プリンタでは、シアンマゼンタイエローブラックのほかに、ライトシアン、ライトマゼンタといったインキを別途使うことが多くなっています。

これは、より光の反射率の高いシアンマゼンタを使うことで、表現できる色域を広げる狙いがあります。

こうした概念に加えて、前に説明した、「極めて小さな面積の中にある光は、その平均の波長が目に入ったのと同じように認識する仕組み」をあわせることで、反射されて出てくる光をコントロールして多彩な色を表現しているのが商業印刷なのです。

商業印刷はものすごく大雑把に言うと、とても大掛かりなハンコです。

ハンコには色の濃淡はありません。インキのついた部分が紙に転写され、ついていない部分は転写されません。

ですが、このインキのつく部分を極めて小さな点の集合にして、単位面積あたりのその比率を変化させることで、人間の目で認識できる色をコントロールしています。



みなさんが見ている印刷物は、こうした、極めて単純で人間の器質に由来する技術に基づいて作り出されているのです。

元写真


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ちょっとすごいでしょ?














2012年12月8日土曜日

理想は実現できるか?~子供の頃に聞いたお話の考察

年中僕らは会社勤め。
朝早く起きて満員電車に揺られ、会社では仕事の山で定時に帰れることなんてない。残業代はでないし、わずかだったボーナスも去年の冬から全くなくなった。 
いっつも終電。 
へとへとになって帰り着いた家にはだれもいないし、なんにもやる気が起きないから、シャワーあびて寝るだけ。 
そんなことのくりかえし。 
一生懸命働いても上司は認めてくれなくて、いつでも僕らが仕事をさぼらないか監視していて、成果が上がらなかったり、ちょっとでもミスをしようものならまるで給料泥棒とでも言わんばかりにグチグチとお説教さ。あんた、いったいどれほど俺に金を払ってくれてるっていうんだよ! 

耐えかねた僕はある日、ささいなことで上司と口論になり、カッとなって退職願を叩きつけて辞めてやった。 

やっと得た自由。なんてすがすがしいんだ。 

僕は高卒だからハンディキャップはあるだろうけど、頭は良い方だしやればできる奴だから大丈夫。 
仕事なんていくらでもあるんだし、まぁ、なんとかなるっしょ 。

高校の時の友達の女の子に「会社辞めてやったよ、せいせいした」って言ったら、とてもうらやましがってた。どこの会社も理不尽なんだな、ほんと、クソみたいな世界だよ。 

もう、毎日が楽しくてたまらない。あさっぱらから夜中までゲーセンやネカフェに入りびたり。貯金はあんまりないから贅沢はできないけど、なんて幸せなんだ! 

たまに母親が「あんた、これからどうするの?」って電話してくるけど、まったくうるさいよ。あんなにこきつかわれたんだ、ちょっとくらい休ませろっての。たまにハローワーク行ってるけど、ろくな仕事ないんだって。おまえ、やってみろっての。どうせすぐに次の仕事みつかるよ。 
でもさすがにウザくなってきたから、最近は居留守つかってるけどね。 

貯金少ないから、飯は1日1食。でもやっぱり腹は減るからさ、なんか食べなきゃ。 
たまには焼肉でも食べないと身体に力が入らない。カップ麺ばっかじゃ、さすがに栄養偏るってw 
なんか、やつらを見返してやるいい儲け口ないかな… 

ネカフェでパソコン見てたら、おいしそうな広告発見。 
「わずかな投資で、絶対に儲かる裏技教えます!パソコンの前にすわっているだけで、楽して月収1000万円」 
ほんとかね? でもまぁ、登録料無料みたいだし、登録だけしてみるか、どうせタダだ。 
それが間違いだった。 

口車にのせられて、変なシステム利用料のためにローン組まされた。「最初は大した収益はないけど、3ヶ月後からは利益がでますよ」って、もう半年たつのにぜんぜんじゃないか! 
毎月の利用料のせいで貯金はどんどん減っていって、とうとう0になった。でも途中解約すると、違約金を払わなきゃいけないから、あと半年は解約できない。 

とにかく、システム利用料を払うために仕方なく消費者金融の扉を叩いた。あとは転落人生。借金で借金を返す生活。そのうちにどこでも借りられなくなり、あやしい広告をたどって借金を口利きしてくれるって業者へ。 
薄暗い雑居ビルにある闇金のドアをくぐると、チンピラ風の男がじろじろと僕を嘗め回すように見たあと、奥へ招き入れた。奥には趣味のわるいド派手なスーツを着た禿親父が座っていた。 

結局僕はダメなやつなんだ。前は、借金まみれになって自己破産する奴とか自殺しちゃう奴とかニュースで見て鼻で笑ってた。自分はこいつらとはちがう、特別な人間だなんて思ってたけど、あいつらと変わらないロクデナシなんだ。 

禿親父はにやにやしながら、したなめずりするようにゆっくりと、「で、いくらほしいの?」って言った。 
地の底から響いてくるような野太い声で身体中から血の気が失せ、もう、取り返しのつかないところまで来たんだって悟った。 








引用:およげたいやきくん
まいにち まいにち ぼくらは てっぱんの うえでやかれて いやになっちゃうよ 
あるあさ ぼくは みせのおじさんと けんかして うみに にげこんだのさ 
はじめて およいだ うみのそこ とっても きもちが いいもんだ 
おなかの アンコが おもいけど うみは ひろいぜ こころがはずむ 
ももいろサンゴが てをふって ぼくの およぎを ながめていたよ 
まいにち まいにち たのしいことばかり なんぱせんが ぼくの すみかさ 
ときどき サメに いじめられるけど そんなときゃ そうさ にげるのさ 
いちにち およげば ハラペコさ めだまも クルクル まわっちゃう 
たまには エビでも くわなけりゃ しおみず ばかりじゃ ふやけてしまう 
いわばの かげから くいつけば それは ちいさな つりばりだった 
どんなに どんなに もがいても ハリが のどから とれないよ 
はまべで みしらぬ おじさんが ぼくを つりあげ びっくりしてた 
やっぱり ぼくは タイヤキさ すこし こげある タイヤキさ 
おじさん つばを のみこんで ぼくを うまそに たべたのさ 
(およげ!たいやきくん 作詞 高田ひろお :作曲 佐瀬寿一:唄 子門真人)